お知らせ
2022年度を締めくくる本号では、鴎外没後100年記念事業実行委員長の倉本幸弘氏による巻頭コラム、昨年11月に開催した「ゆかりの地文学フォーラム」のレポートなど、鴎外メモリアルイヤーを振り返った記事を多く収録しています。
館内で配布中のほか、こちらでもご覧いただけます。
展示会場から
書簡「幸田露伴筆 鴎外宛」1890(明治23)年7月25日付【
開催中のコレクション展「鴎外の『水沫集』 第一作品集に込めた詩想」では、『水沫集』収録作品の中から10作品を初出雑誌や関連資料と共に紹介しています。
なかでも、当時人気のあった翻訳作品『埋木(うもれぎ)』は、関連資料を3点展示しています。特に『埋木』連載中に、小説家・幸田露伴が鴎外に宛てた書簡にご注目ください。最新号の「しがらみ草紙」の中で「取り分け」、『埋木』の街の描写に「たゞなんとなく驚き候」、以前の掲載分を読み返したと書いています。露伴は、前年に作品が雑誌に掲載されるようになったばかりで、表現を模索していた頃でした。鴎外28歳、露伴23歳、若き日の2人の文芸交流を垣間見ることができます。
コレクション展「鴎外の『水沫集』」は4月2日まで開催しています。※3月27日・28日は全館休館
2月20日(月)~22日(水)は、燻蒸作業のため全館休館となります。
2月23日(木・祝)は通常通り10時に開館いたします。
コレクション展「鴎外の『水沫集』 第一作品集に込めた詩想」を引き続きお楽しみください。
展示室内映像コーナーにて、新規プログラム「『舞姫』を読む」の上映を開始しました。
小説家・平野啓一郎氏、詩人・伊藤比呂美氏のお二人に、『舞姫』を中心とした鴎外作品の魅力について語り合っていただきました。
既存のプログラム3本と合わせ、計4本のプログラムをループ上映しております。
ご来館の際は是非お見逃しなく!
鴎外第一作品集『水沫集』には、鴎外が23歳から30歳までの期間に発表した作品が、網羅的に収録されています。鴎外自身の手によって編まれた600頁を超える大冊は、20代の文業の集大成と言えるでしょう。
本展では、鴎外生前に刊行された『水沫集』(初版、改訂再版、縮刷版)を軸に、刊行当時の文壇の状況を踏まえながら鴎外の動向をたどります。また、物語の構成や配列に着目しながら、収録作品を紹介しています。
後年、初版刊行当時の情熱を懐かしむと共に、本書が文壇に大きな影響を与えたという自負を持っていた鴎外。本書に込められた様々な想いに、展示室で触れていただければ幸いです。
コレクション展「鴎外の『水沫集』第一作品集に込めた詩想」
会期:2023年2月3日(金)~4月2日(日)
※休館日 2月20日(月)~22日(水)、3月27日(月)、28日(火)
開館時間:10時~18時(最終入館17時30分)
観覧料:一般300円(20名以上の団体240円) ※中学生以下無料