建築について
受賞歴
当館の建物は、高い評価を受けています。
設計者の陶器二三雄氏は、当館の設計により以下の賞を受賞されました。
2014年 第55回BCS賞
2015年 日本芸術院賞
日本建築学会作品選奨
“静かな凛とした”建築
鴎外が辿った深い思索の痕跡に出会う、語りかけるような“静かな凛とした”建築にしたいと思いました。
建物は団子坂に面して低く構え、「薮下の道」につながる路地のような空間から入る、奥が深く住宅のようなスケールの記念館です。この谷根千の散策路に続く路地からは、いにしえの「観潮楼」を偲ぶ庭の大銀杏や3人冗語の石を眺める事ができます。
建物を印象づける外壁はレンガを張ってから削ったものです。若き鴎外が学んだドイツの歴史的街並を彷彿させ、また現代をも感じさせる表現をめざしました。
計画において最優先に考えた事は、貴重な資料の活用と保全とを最善の方法で構築することでした。その結果、恒温恒湿による保全環境が得易く、災害時の延焼や水損をも防ぐ地下に展示室と収蔵庫を設けました。
この建物は,殆ど全て職人の方々の手作りで出来ています。そのなかのひとつ外壁レンガの削りは、作業服が真っ白になるほどの大変な作業でしたが、若い職人の方々の懸命な取り組みにより素晴らしい壁に仕上がりました。若い建築従者が少なくなる昨今、公共建築の建設は、夢を持ち建築技術の継承をめざす若人にとって大変重要な機会だと考えております。
陶器二三雄建築研究所 代表 陶器二三雄