お知らせ
新型コロナウイルス感染症の影響による臨時休館に伴い、
5月26日(水)に予定していました展示解説は中止とさせていただきます。
ご迷惑をおかけしますが、ご理解のほど、よろしくお願いいたします。
現在、臨時休館中ではありますが、4月3日に開幕した特別展「観潮楼の逸品―鴎外に愛されたものたち」の展示図録を通信販売でご購入いただけます。
本展では当館が所蔵する鴎外旧蔵品を、文具・机・印章・喫煙具・旧蔵書など「鴎外が使ったものたち」と、絵画・書・扁額・記念品など「観潮楼を飾ったものたち」とに分け、一挙に展示しています。鴎外や家族が暮らした邸宅・観潮楼(現・当館)にとってかけがえのない「逸品」である、これら全ての資料が、本展図録にオールカラーで掲載されています。
資料の来歴などに触れた解説や、図版では細部を確認することもでき、展覧会の予習にぴったりです。また、展示監修者の山崎一穎氏(跡見学園女子大学名誉教授)の論考や、テーマに合わせてご執筆いただいた半田昌之氏(日本博物館協会専務理事)、児島薫氏(実践女子大学教授)、中村信宏氏(書道博物館主任研究員)のコラムは図録のみの掲載です。
通信販売をご希望の方は、メールなどでお問い合わせください。
図録でお気に入りの「逸品」を見つけて、展示が再開した折に、会いに来てください!
臨時休館中の当館展示会場から、特別展「観潮楼の逸品」をお届けします。
第一展示室では、「鴎外の使ったものたち」として文具、印章、机、喫煙具、旧蔵書、その他身回品を展示しています。
文具を展示しているコーナーでは、鴎外の書斎をイメージし、小机などと併せて紹介しています。この小机は、鴎外が執筆時に使用していた机の脇に置かれていたもので、明治44年に鴎外の発注によって作られました。正面には、鴎外がその書を好んだ中村不折により、机の由来(白河楽翁候旧蔵の小机を模造した旨)が揮毫されています。次女・杏奴は、病気で寝込んでいるときには、鴎外が枕元にこの小机を置き、仕事をしながら看病してくれたと回想しています。
新型コロナウィルス感染症の影響により、令和3年4月25日(日)から当面の間、臨時休館いたします。
また、開催を予定しておりました下記イベントは中止となります。
扁額『賓和閣(ひんわかく)』
現在当館では、春の特別展「観潮楼の逸品―鴎外に愛されたものたち」を開催中です。鴎外が愛用していた文具、印章、喫煙具や、鴎外の邸宅・観潮楼(かんちょうろう、現・当館)に飾られた絵画や書などを展覧しています。
展覧会は、観潮楼の玄関にかけられていた扁額「賓和閣」からはじまります。
森於菟(鴎外長男)の随筆『砂に書かれた記憶』(筑摩書房)では、鴎外自らが玄関正面の欄間に釘を打っているところに通りかかり、手伝った時に読めない字を問うたところ、「ひんわかく(賓和閣)。この家でお客さんが仲好くするのだ。うちのものは始終けんかしているから丁度好いだろう」と語ったと回想されています。『鴎外日記』(明治43年2月13日)には、この額をもらい受けた記録がありますが、額には落款もなく、由来もよくわかっていません。いうなれば「賓和閣」は、於菟の記憶と鴎外の記録とともに語り継がれてきた特別な逸品です。
観潮楼の訪問者がくぐり抜けた『賓和閣』越しに広がる展覧会をお楽しみください。