お知らせ
文京区立森鴎外記念館NEWSの最新号37号をアップしました!
巻頭コラムには、森類(鴎外の三男)に焦点を当てた小説『類』の著者・朝井まかて氏にエッセーを寄せて頂きました。
また、森鴎外記念会会長・小泉浩一郎氏による、鴎外の小説『ヰタ・セクスアリス』に関する論考を掲載しています。
本誌は当館での配布ほか、こちらでもご覧いただけます。
是非ご覧ください!
類自筆原稿 鴎外、志げ作品の書写
(鴎外作品は年不詳、志げ作品は昭和20年3月16日に書写)
現在開催中のコレクション展「生誕110年・没後30年 森類」の第二章「ペンを執った類」では、類の執筆活動に触れていただけるよう、自筆原稿、下書きや創作メモなどを展示ケースいっぱいに展開しています。
類は文筆活動において、文学者に指導を仰ぐことはあっても、特定の師を持つことはなくほぼ独学であったとみられます。当館には、類の手による先人たちの文学作品の抜書や書写がたくさん残されています。国木田独歩、夏目漱石、永井荷風、芥川龍之介、内田百閒、太宰治、岸田國士など、時代もジャンルもさまざま。もちろん鴎外の作品も数多く含まれています。
本展では、父・鴎外、母・志げの作品の抜書と書写を展示しています。鴎外作品からは、小説『かのやうに』『雁』『高瀬舟』の抜書です。所々に赤い丸印が付いていますが、鴎外の文体や言葉のリズムを掴もうとしていたのかもしれません。
一方、志げの小説『死の家』は全文を書写しています。東京大空襲の直後に書写しており、疎開先の福島県で書いたものと思われます。どのような思いで書写していたのでしょうか。
本展覧会は12月27日(月)までの開催で、残すところあと10日となりました。類の息遣いも感じ取ることができる自筆原稿の数々を、是非会場でご覧ください。
茉莉自筆「ドッキリチャンネル」連載248回原稿【100200】
開催中のコレクション展「生誕110年・没後30年 森類―ペンを執った鴎外の末子」にあわせて展示室1では類の兄姉、於菟(おと)、茉莉(まり)、杏奴(あんぬ)について紹介しています。展示資料は、随筆集が主ですが、一人1点ずつ自筆原稿を展示しています。
鴎外の長女・森茉莉の原稿は、「週刊新潮」に掲載された『ドッキリチャンネル』です。『ドッキリチャンネル』は、昭和54年から60年まで連載されたテレビ評です。テレビ番組やタレント、俳優について辛口の評に人気がありました。話題がテレビからそれることもあり、この原稿には父・鴎外の筆名やその著作について触れています。そして、「私の「恋人たちの森」なぞをもし生きていて読んだら、どんなに歓ぶだろう、と思つてそれがひどく残念である」と書いています。青のボールペンで書かれた上にオレンジのペンで修正が入っており、紙面が色鮮やかです。
コーナー展示「於菟、茉莉、杏奴-類の兄姉」は2021年12月27日まで開催しています。
明日、11月24日(水)は全館休館です。
11月25日(木)より通常通り開館いたします。
開催中の「生誕110年・没後30年 森類-ペンを執った鴎外の末子」を引き続きお楽しみください。
文京区民チャンネル(CATV)「文京浪漫紀行」で、現在開催中のコレクション展「生誕110年・没後30年 森類―ペンを執った鴎外の末子」にちなみ、《鴎外の末子 森類の生涯》が放送されました。
ご遺族のインタビューや展示資料をとおして、森類の生涯を辿ります。
本番組はYouTubeでもご覧いただけます。ぜひご視聴ください!
文京区民チャンネル「文京浪漫紀行」《鴎外の末子 森類の生涯》はこちら。