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コレクション展「小説『舞姫』をよんでみよう!」展示会場から その3

 投稿日時: 2025-09-12 (32 ヒット)

開催中の展覧会から展示資料を紹介します。
 
小池堅治編訳『独文 舞姫 倫敦塔』 南江堂書店 大正8年(大正6年初版)【1A-マ3】



小説『舞姫』は、鴎外生前から外国語に翻訳されていました。
その一つが『独文 舞姫 倫敦塔』です。大正6年に小池堅治(号・秋声、旧制第二高等学校教授)が『舞姫』と夏目漱石『倫敦塔』とをドイツ語訳し、日本語の原文を併記して出版したものです。
翻訳にあたり小池は、面識のなかった鴎外に、原文を併載し翻訳を刊行することを手紙で問い合わせ、鴎外の承諾を得ました。その後、小池は鴎外に序文も依頼し、贈られたのが漢詩『題訳本舞姫』です。詩の中で、鴎外は、『舞姫』は外国の美しい人について書いた物語であることと、年をとった自分が当時を振り返った気持ちを詠んでいます。小池はその漢詩を写真図版で『独文 舞姫 倫敦塔』に掲載しました。本展では、そのページを開いています。
 
展示会場では、鴎外の漢詩草稿を綴じた『森鴎外自筆「丙辰存稿」手記』、友人・賀古鶴所に示した同も一緒に展示しています。あわせてご覧ください。
なお、漢詩『題訳本舞姫』については「文京区立森鴎外記念館NEWS」51号(2025年6月発行)「展示会場から」もご参照ください。


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