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特別展「本を捧ぐ―鴎外と献呈本」展示会場から その2

 投稿日時: 2025-05-21 (196 ヒット)

開催中の展覧会から展示資料を紹介します。
 
〔杏奴旧蔵/北原白秋、鴎外献呈署名本〕
北原白秋訳『まざあ・ぐうす』アルス 大正10(1921)年 【1G-キ1-1】

 

詩人、歌人で童謡作家でもあった北原白秋による、イギリスの伝承童謡集『マザーグース』の訳詩集で、鴎外の次女・杏奴(あんぬ)の旧蔵本です。本書の見返しには、右側に「謹呈 森鴎外先生 北原白秋」と訳者である白秋の献辞が記され、左側には「アンヌに 森林太郎」と書き添えられています。恐らく、鴎外は白秋から贈られた献呈署名本を杏奴にプレゼントしたのでしょう。
 
本書が発行されたのは大正10年12月のことです。いつ白秋が鴎外に本を贈り、鴎外が杏奴にプレゼントしたのかは分かっていませんが、大正11(1922)年7月に鴎外は死去するため、鴎外が最晩年に贈られ/贈った本であることは明らかです。鴎外は蔵書を最も大切にしていたといいますが、その蔵書の中から愛する子どもたちへその一部を託していました。
 
さて、2025年は北原白秋の生誕140年、そして5月27日は杏奴の116回目の誕生日です。
展示会場では、『まざあ・ぐうす』以外にも白秋の献呈署名本や鴎外が杏奴にプレゼントした本を紹介しています。是非会場でご覧ください。
 


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