お知らせ
◆展示会場から「東京・文学・ひとめぐり」その1◆
東京府設置から150年目の今年、本展では「東京」を舞台とした近代文学作品について、現在東京の都心を環状運転する山手線各駅周辺の地域に焦点を当て紹介しています。
森林太郎立案「東京方眼図」春陽堂 明治42年
現在一般的に使用されている方眼地図は、明治期の日本ではまだ目新しいものでした。鴎外は「東京方眼図」の作成を企画し、明治42年6月に一枚地図が、同年8月に地域索引等が収録された冊子が発行されました。冊子には、鴎外による地図の使用方法が添付されています。明治43年から雑誌「スバル」で連載された小説『青年』で、主人公の小泉純一がこの地図を手に東京を歩いたことでもよく知られています。
さてこの地図を本展になぞらえ改めて見ると、掲載区域が東京市内(15区)に限られていることが分かります。発行当時に開業していた、新橋、上野、日暮里、渋谷、目黒などの山手線の駅名も地図上に見つけることができます。しかし、山手線が環状運転をし始めるのは大正14年のことなので、地図上でも山手線の路線は繋がっていません。また市外にあたる新宿や池袋は、発行当時開業していたにも関わらず、地図からはみ出し掲載されていません。
現在の私達が捉える「東京」と、鴎外が生きた明治・大正の「東京」の違いを感じ取ることができます。