お知らせ
展示室から 資料紹介その1
現在開催中のコレクション展「1915-16 ―100年前の鴎外とその時代」では、鴎外が辞意表明し退官するまでの2年間(大正4年~5年)に絞った資料展示をしています。
鴎外は大正4年11月22日に、上司である大嶋健一陸軍次官に辞意を表明した後、親友である賀古鶴所にその旨を手紙で伝えました。賀古はそれを受け、大嶋次官や山県有朋らと会合を開き、鴎外の退官を含めた陸軍の人事問題について話し合いました。
画像下の書簡は、そのときに話し合われた内容を賀古から鴎外に伝えるものです。書面は、細かい文字でぎっしりと敷き詰められています。画面上の書簡は、さらにそれに対する鴎外からの返信です。人事問題に触れながらも、新年(大正5年)の作品(『渋江抽斎』)のために返信が遅れたことを詫びてており、内容にやや温度差を感じます。また書中には、「今後筆デ立タウ」という記述が見られ、退官後は執筆に専念する決意がうかがえます。
鴎外と賀古のやりとりは、現代でいうチャットのようで、その時々の出来事や思惑が殆どリアルタイムで伝えられていたようです。新聞報道についても殆ど現在と変わらない即時性で、鴎外退官についての記事が報道されました。
展覧会では、この鴎外の退官について、新聞紙面はどのように報道したのか~という点にも触れています。この機会に是非ご覧ください。