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 投稿日時: 2024-09-05 (691 ヒット)

葉書「石黒忠悳筆 鴎外宛」
大正元年10月2日(下左)、大正2年6月22日(下右)


 

差出人の石黒忠悳(ただのり)は近代軍医制度の成立に関わった陸軍軍医で、鴎外の上司にあたる人物です(この時は既に退官)。

1枚目は鴎外にとって初めての歴史小説『興津弥五右衛門の遺書』発表時に送られた葉書で、『興津弥五右衛門の遺書』を発表した雑誌の名を尋ねる内容です。大正元年10月、現在も刊行が続く総合雑誌「中央公論」に掲載されました。

2枚目は初めての歴史小説集『意地』発行時に送られた葉書です。出版社(籾山書店)から『意地』(大正2年6月)を送られた石黒が、既に『阿部一族』『興津弥五右衛門の遺書』を読み終え、夕刻から『佐橋甚五郎』を読むのを楽しみにしていると綴っています。

石黒は、鴎外の歴史小説執筆に深く関わっている乃木希典と親しい間柄でした。乃木は殉死に際して、複数の遺書をのこしていますが、その中の一通は石黒に宛てたものでした。陸軍草創期から共に歩んできた乃木の死を、石黒も重く受け止めたことでしょう

石黒は乃木と興津弥五右衛門を重ね合わせ、評論家・横山健堂に語っています(横山健堂『大将乃木』)。そして、鴎外の『興津弥五右衛門の遺書』について「鴎外の文才に驚けり」と感想を述べました。


 投稿日時: 2024-08-25 (327 ヒット)

8月26日(月)、27日(火)は全館休館です。

8月28日(水)より通常開館いたします。コレクション展「鴎外の『意地』のはなし―歴史小説『阿部一族』を中心に」を引き続きお楽しみください。

 


 投稿日時: 2024-08-22 (585 ヒット)

開催中の展覧会から、展示資料を紹介します。

鴎外著『意地』籾山書店 大正2年
鴎外著、斎藤茂吉解説『阿部一族 他二篇』岩波文庫 昭和13年

  


鴎外初めての歴史小説集です。鴎外とも親交があった陸軍大将・乃木希典の死をきっかけに執筆した『興津弥五右衛門の遺書』(大正元年10月発表)、そして『阿部一族』(同2年1月発表)、『佐橋甚五郎』(同年4月発表)を収録しています。
『鴎外日記』によると、大正2年4月から『意地』発行に向けて具体的に動き出したようです。当初、『軼事篇』(いつじ/世に知られていない事柄の意)という書名を予定していましたが、編集者に請われて『意地』と改めています(『鴎外日記』大正2年4月9日)。
定価は50銭で、当時はコーヒー1杯が5銭であったことを考えると、決して安い金額ではないようです。『意地』は初版1,000部を発行したものの、再版はなかったとみられます。


その25年後、岩波書店から『阿部一族 他二篇』の名で、『意地』と同じ作品を収録した文庫が発行されました。解説は鴎外と親交のあった歌人・斎藤茂吉です。
そして『意地』発行から111年後の現在も、岩波文庫『阿部一族 他二篇』は茂吉の解説をそのままに発行を続けており、当館ミュージアムショップでも取り扱っています。本展をきっかけに「鴎外の『意地』のはなし」に関心を持たれたら、是非お手に取ってみてください。

 


 投稿日時: 2024-08-15 (507 ヒット)

台風7号接近の影響により、展示室は通常通り開室する予定ですが、

2階図書室および1階モリキネカフェを終日休室いたします。

なお、追加変更がある場合は本ウェブサイトやSNSなどでお知らせいたします。


 

 


 投稿日時: 2024-08-09 (1104 ヒット)

 当館では、知友から鴎外に寄せられた書簡の翻刻を紹介する『文京区立森鴎外記念館蔵 森鴎外宛書簡集』を継続刊行しています。約3年ぶりの新刊となる第5号は、差出人の姓名が「さ」「し」「す」「せ」「そ」「た」で始まる39名88通を収録。いずれも翻刻と注記、図版、発信者の略歴を掲載しています。

 当館ミュージアムショップで販売のほか、通信販売にも対応しておりますのでお気軽にお問合わせください。

定価:税込4,180円
A5変型判、ソフトカバー、168頁
2024年8月刊行
監修:宗像和重(早稲田大学名誉教授)
 
○発信人名(五十音順)
西澤行蔵、斎藤勝壽、斎藤茂吉、斎藤緑雨、阪井重季、佐佐木信綱、佐佐木雪子、佐藤元萇、佐藤紅緑、佐藤三吉、佐藤恒丸、志賀潔、品川弥二郎、渋江保、渋谷在明、島田重禮、清水格亮、下瀬謙太郎、下村観山、白井雨山、新海竹太郎、末松偕一郎、菅了法、須藤憲三、関澄桂子、関直彦、高楠順次郎、高田早苗、高野寛一郎、高橋順太郎、高浜虚子、高村光太郎、多紀崇徳、武田仰天子、田代義徳、谷口謙、谷崎潤一郎、玉水俊虠、田村俊子
*各人の略歴、全書簡の画像を掲載。
 
○解説(執筆者五十音順)
池澤一郎(早稲田大学教授)「渋江保の挍勘学」
田部知季(富山大学准教授)「斎藤茂吉と高浜虚子の葉書から」
藤木直実(日本女子大学非常勤講師)「明治の才媛とその結婚―佐佐木(藤島)雪子の文業と献身―」
宗像和重(早稲田大学名誉教授)「鴎外と信綱をめぐる書簡補遺―『明治文学の片影』を補助線として―」
 

 

 


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