お知らせ
本日9月17日より、コレクション展「生誕110年・没後30年 森類―ペンを執った鴎外の末子」が開幕しました!
鴎外の三男で末子の森類(るい)はわずか11歳で父・鴎外を亡くした後、10代から絵画を学びました。戦後より文筆活動に取り組み始め、詩や小説、そして多くのエッセーを発表しています。
昨年、朝井まかて氏による類を主人公とした小説『類』(集英社)が刊行され、注目を集めている類。今年、生誕110年、没後30年を迎えました。
2014年に類のご遺族から寄贈を受けた遺品資料6,400件の中から、類の日記や書簡、自筆原稿など50点余りを展覧し、類の80年の生涯とその文筆活動にせまります。
本展は12月27日(月)までの開催です。展覧会の最新情報は、記念館HP等でご確認ください。
(会期中の休館日は9月28日(火)、10月26日(火)、11月24日(水)です。)
9月13日(月)から9月16日(木)は、展示替えのため全館休館いたします。
西園寺公望書『才学識』
第二展示室では、「観潮楼を飾ったものたち」として美術品、書・扁額、記念品を展示しています。その中から、鷗外が書斎に飾っていた扁額を紹介します。
西園寺公望は、明治39~41年、同44年~大正元年首相を務めた政治家です。同40年より文人を集めた文芸懇話会「雨声会」を開き、鴎外も招かれました。
この書は大正5年4月に行われた同会で鴎外が西園寺に依頼し、贈られたものです。
「才学識」とは歴史を書く人に必要な三つの長所、才気、学問、見識をあらわします。西園寺は漢学の素養が高く、この言葉は『唐書 劉知幾伝』にちなみます。
左側には「鴎外先生嘱」として鴎外に頼まれて書いたことが記され、西園寺の号「陶庵主人公望」と署名しています。
特別展「観潮楼の逸品 鴎外に愛されたものたち」は、9月12日(日)までの開催です。
明日、8月24日(火)は第4火曜日のため、全館休館です。
8月25日(水)より通常通り開館いたします。
特別展「観潮楼の逸品-鴎外に愛されたものたち」は9月12日(日)までの開催となります。
竹内栖鳳作《楳雀図》
鴎外は美術に造詣が深く、同時代の美術家と沢山の交流がありました。
楳(うめ)の枝にとまる雀の様子が描かれた小品ですが、動物画を得意とした栖鳳らしい作品と言えるでしょう。鴎外の長男・於菟によると、栖鳳自身が気に入っていた作品だったそうです(森於菟『鴎外の死面と遺品』)。
鴎外晩年の日記『委蛇録』の大正7年1月30日の項には「竹内栖鳳贈予画」とあり、この作品が贈られたことを指しているとみられます。前年12月に帝室博物館総長兼図書頭に就任したばかりの鴎外。新たな仕事を前に慌ただしい日々を過ごす中で、この愛らしい雀の姿に安らぎを覚えていたかもしれません。
特別展「観潮楼の逸品―鴎外に愛されたものたち」は9月12日(日)までの開催です。