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コレクション展「鴎外と子どもたち—於菟、茉莉、杏奴、類が語るパッパ」展示会場から その1
投稿日時: 2026-02-11 (29 ヒット)
開催中の展覧会から展示資料を紹介します。

類自筆原稿『賓和閣(ひんわかく)』(下書き) 1967年発表 【L200045】
扁額「賓和閣」 於菟旧蔵 【100019】
本日2月11日は鴎外の三男・類の115回目の誕生日です(1911年生まれ)。類は兄姉と同じように筆を執り、文筆活動に勤しみました。本展では類の自筆原稿を3点展示しています。その一つが『賓和閣』です。鴎外と観潮楼の回想で、鴎外顕彰機関・森鴎外記念会の機関誌「鴎外」3号に掲載されました。
本展で展示している箇所は、4枚目と5枚目。幼い類が夜中に目が覚めた時の思い出です。類が「パッパ」と呼ぶと顔を向けて頷き、手洗いに行きたい時には付き添ってくれたこと、寝床で「手」と言うと、鴎外が手を差し伸べて眠るまで握ってくれていたことが綴られています。
鴎外が死去した時、類はわずか11歳でした。鴎外と過ごした期間は短いものの、記憶力が良かったという類は、その日々を丁寧に書いています。観潮楼の間取りや調度品が細かく記されているのは、鴎外没後も長く観潮楼に暮らしていたからでしょう。
本稿の表題は、森家の玄関に飾られていた木製の扁額「賓和閣」(実際は「貴和閣」)からきています。知人から贈られた朝鮮の扁額「賓和閣」を、鴎外自らが玄関に掲げました。その作業を手伝う於菟に「お客さんが仲よくする所というわけだ」と話したそうです(於菟『鴎外の母』)。鴎外没後、「賓和閣」は於菟が受け継ぎ、やがて文京区に寄贈されました。本展では、類自筆原稿『賓和閣』と並べて紹介しています。


