コレクション企画「鴎外への賀状」
コレクション企画「鴎外への賀状」
2013年11月29日(金)―2014年1月26日(日)
会場/文京区立森鴎外記念館(東京都文京区千駄木1-23-4)展示室2
開館時間/10時―18時(最終入館は17時30分)
会期中の休館日/12月24日(火)、年末年始(12月29日―1月3日)
観覧料/一般300円(240円:20名以上の団体)
およそ百年前の明治39年・午の年、森鴎外は日露戦争の戦場から帰還します。明治から大正へ―、急速な近代化にゆれる時代の中で、鴎外は多くの作品を執筆しますが、その理想には常に国家と個人、軍医と作家というふたつの側面がありました。
本展では文京区立森鴎外記念館収蔵のコレクションの中から、当時の文人の手によるものや、平成26年の干支である午年にちなんだものなど、さまざまな〈鴎外への賀状〉を紹介します。
新春の風物詩である年賀状(賀状)が一般的にやり取りされるようになったのは、郵便制度が整いはじめた明治12年頃からと言われています。
当館には、明治25年に森鴎外と弟篤次郎に届いた、落合直文(歌人)の賀状をはじめ、鴎外への賀状が80葉あまり収蔵されています。差出人は、軍人や学者のみならず小説家や詩人、歌人、俳人、画家など多岐にわたり、鴎外の生涯を通じた多彩な活躍がうかがえます。
明治39年1月12日、戦場より観潮楼に戻った鴎外を待っていたのは、小山内薫(劇作家)そして平野万里(歌人)の賀状でした。翌13日、薫の妹八千代(小説家)は、鴎外に再会した喜びのこもった賀状を送っています。
徳富蘇峰(評論家)、斉藤茂吉(歌人)や城ケ島から投函された北原白秋(歌人)の賀状、宮仕えの身を憂う漢詩を添えた横川唐陽(軍医・漢詩人)の賀状など、その表情、内容はさまざまです。使われている言葉だけでなく、紙質、活字、落款などのデザインにも工夫がこらされ、差出人各々の個性が表れています。また、当時の世相や社会的状況も色濃く反映されていて、歴史資料としても興味深いものです。
新しき年の初めに届いた小さなはがきを通して、公人、そして作家として常に時代の中心に身を置いた鴎外と文人たちの交流をご覧ください。
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【展示関連講演会】 終了しました。ご参加ありがとうございました。
演題:「鴎外宛年賀状」を読む
日時:12月7日(土)14時―16時
講師:山崎一穎氏(森鴎外記念会会長、跡見学園理事長)
募集は締め切りました。ご応募ありがとうございました。
【ギャラリートーク】
展示室2にて当館学芸員が展示解説を行います。
平成25年12月11日、12月25日、平成26年1月8日、1月22日(いずれも水曜日)
各回14時から30分程度
申し込み不要。(展示観覧券が必要です)