特別展「ドクトル・リンタロウ―医学者としての鴎外」
会期:2015年10月3日(土)~12月6日(日)
休館日:10月27日(火)、11月24日(火)
開館時間:10時~18時(最終入館は17時30分)
※11月6・7・8日(金土日)は20時まで開館(最終入館は19時30分)
観覧料:一般500円(20名以上の団体:400円)
※中学生以下無料、障がい者手帳ご提示の方と同伴者1名まで無料
※文京ふるさと歴史館入館券他、各種割引がございます。詳細はこちらをご確認ください。
生の果物は口にしない。風呂に入らない。こうした鴎外の好みや行動は、何に由来するものなのでしょう。
森林太郎は、文久2(1862)年、代々津和野藩(現・島根県津和野町)の御典医を務めた森家の長男として生まれました。明治14(1881)年、東京大学医学部卒業後、留学への期待と家族の意に沿って陸軍に入り、明治17(1884)年からドイツで軍陣衛生学や陸軍衛生制度を学びます。帰国後は、衛生学を専門とした医事行政に関わり、明治40(1907)年には、陸軍軍医総監、陸軍省医務局長に就任、大正5(1916)年に辞任するまで務めました。
今日、林太郎の医業(衛生学)について、「脚気論争」以外あまり知られていません。しかし、現代の私たちにとっては“あたりまえ”の都市計画や予防医学などにおける公衆衛生の必要性を発信したのは、他でもない林太郎でした。林太郎の言葉を借りれば、〈衛生学〉とは、私たちが健康に暮らすための環境を整備する身近な学問です。
新しい医療体制の整備が急速に動き始めた時代に、林太郎が何を学び、何に取り組んだのか、また、それが現代の生活とどのように関わっているのかを、医学生時代・留学時代の自筆ノート、医学論文の自筆原稿、医学関係者との書簡などで紹介します。そして、文豪・鴎外として何を書き遺したのか、『仮面』『渋江抽斎』『伊沢蘭軒』等の作品を周辺資料とともに読み解いていきます。
林太郎の軌跡を追うことで、鴎外の意外な行動の理由、あるいは、その思想の根底にあるものが見えてくるかもしれません。近代医学発展の地、文京区で、ドクトル・リンタロウの解剖がはじまります。
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◆展示関連事業◆
○ギャラリートーク
展示室にて当館学芸員が展示解説を行います。
日時:10月14日、28日、11月11日、25日(いずれも水曜日)14時~
申込不要(展示観覧券が必要です)
所要時間は30分程度を予定しています。
講演会「『魔睡』の時代―催眠術から霊術へ」
日 時 10月31日(土)14時~15時半
講 師 一柳廣孝氏(横浜国立大学教授)
*終了しました。
講演会「鴎外とその時代の医療」
日 時 11月14日(土)14時~15時半
講 師 酒井シヅ氏(順天堂大学特任教授)
*募集は締め切りました。