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森鴎外記念館で現代アート! Vol.3 「『刹那』よ『止まれ、お前はいかにも美しいから』」

2015年 10月 3日 ~ 2015年 12月 6日

 森鴎外記念館で現代アート!Vol.3 「『刹那』よ『止まれ、お前はいかにも美しいから』」

10月3日(土)~12月6日(日)  
休館日:第4火曜日

本企画は、鴎外の仕事や作品を現代的価値や意味に繋げる試みとして、現代美術の作品をエントランスや、カフェ、図書室等の無料(パブリック)スペースで展示するもので、今回で3回目となります。
本年は、倉林靖氏(美術評論家)のディレクションのもと、富岡直子氏(絵画)、佐野陽一氏(写真)のお二人の作品を約30点、パブリックスペースで展覧いたします。

 

 


 

左)富岡直子 resonance-Ⅱ」 2008

アクリル・麻布・パネル 72.7×91cm  株式会社ベリタス蔵

右)佐野陽一 「flow」 2004-05年 

銀色素漂白方式印画 100×126cm

 

 本展のタイトル「『刹那』よ『止まれ、お前はいかにも美しいから』」は、大正2年(1913)に刊行された森鴎外訳・ゲーテ『ファウスト』の中のファウストのセリフを引用したものです。

 長大な詩劇『ファウスト』全体を貫く重要なキーワードであるこの台詞が、単に瞬間の外見の美について語ったものではないことは明らかです。人生の経験の蓄積を通じて、生の充実のなかのある瞬間の感覚が、内面的な充溢とともに新たな光を発しはじめ、永遠のものとも感じられてくる、恩寵のような稀有な時間について語った言葉なのではないでしょうか。文学者で医学者でもある鴎外は、ゲーテの作品を翻訳しながら、この言葉に、人間が癒され、より充実した存在になるところの根源的な状態を見、あるいはそこに、人間の理想への希望と憧憬を込めたのかもしれません。
 
 今回出品いただく二人のアーティスト、富岡直子氏と、佐野陽一氏は、絵画、写真と手法は異なりますが、どちらも外界の光を映しながらも内的な光をもそこに滲み出させようとし、瞬間が永遠に繋がるような、恩寵のような知覚と経験、空間感覚と時間感覚を現出させることを試みている作家です。今回は二人の作品を通じて、鴎外がファウストのセリフにこめた、瞬間と永遠をめぐる知覚と感覚を、現代につなぎます。
 富岡直子は、一貫して「光」を追究し、「光」が観る者を包み込むような絵画作品を制作している作家です。本展では、近作「resonance」2点の他、ドローイングを10余点出品します。今回初めての公開となるドローイングは、作家の作品へのアプローチを垣間見ることができ、必見です。
 佐野陽一は、「世界を知覚する手がかりとしての写真」をテーマに、ピンホール・カメラの手法で作品を制作している作家です。本展では、水辺をモチーフとした「flow」「reservoir」シリーズ、分厚いアクリルでマウントし自立する小さな写真作品「vessel」シリーズなど、約15点を出品します。通常の美術館では見ることができない展示手法にもご期待ください。
 
 このほか音楽ライブ、空間映像インスタレーション、ダンスパフォーマンス等、11月には秋の夜長を楽しむイベントが盛りだくさんです。芸術の秋のひと時、森鴎外の旧居跡で、お過ごしください。
 
<開催概要>
会期:2015年10月3日(土)~12月6日(日)
休館日:第4火曜日
会場:文京区立森鴎外記念館無料ゾーン(エントランス、図書室、廊下、カフェ等)
ディレクション:倉林靖(美術評論家)
出品作家:富岡直子、佐野陽一
開館時間:10時~18時  *11月6日(金)~8日(日)は20時まで開館
観覧料:無料(同時開催特別展「ドクトル・リンタロウ―医学者としての鴎外」観覧の場合は観覧料500円必要)
 
 

 

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