展示関連講演会「鴎外を継ぐ者―木下杢太郎のパリ」
2015年 8月 22日
日 時 8月22日(土)14時~15時半
講 師 今橋映子氏(東京大学大学院教授)
会 場 文京区立森鴎外記念館2階講座室
*終了しました。
森鴎外同様、医者であり文学者であった木下杢太郎(1885-1945)にとって、鴎外はその人生において、最も私淑する存在であり続けた。木下杢太郎のパリ滞在は、多くの日本人とは異なって、中年期に入ってからの留学であっただけに一層、ヨーロッパ文明の深奥を訪ね、その深さに慄然とするような独自の様相を見せる。パリ滞在中に鴎外訃報を受け取った杢太郎は、帰国後、師の人生と仕事を回顧する中で、自分が彼から何を受け取ったかを、明晰に省察している。
本講演では、杢太郎がパリの街区を見事に描写した珠玉の小品随筆を味読しながら、鴎外から杢太郎に継がれた精神が何であったかを探ってみたいと思う。